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上海 〜驚異的な発展・・・「南京東路」の変遷〜(2012.8.25)


 2012年8月、経由地として上海を訪れました。上海を初めて訪れたのは1987年8月ですから25年前になります。

 周知の通り、著しい経済発展を遂げましたので街の様子も大きく変化しました。その変遷ぶりを南京東路の写真でご紹介します。


 「南京東路」は100年余りの歴史を持つ上海を代表する大繁華街で、東端は外灘の和平飯店から、西は人民公園広場までの範囲に該当します。 それより西は南京西路になります。現在、河南中路/地下鉄南京東路駅より西側は歩行者天国となっています。

 南京東路は、1851年に開発が始まり、20世紀のはじめに入ると数棟の大型デパートが建設されました。 今も沿道には、近代的な建物と租界時代の老舗デパートやレストランなどの建物(創業100年以上の老舗店舗も多い)が混在しています。


 西蔵中路との交差点に有名な上海市第一百貨商店が建っています。 この建物自体は1949年に建てられましたが、その前身は1936年開業の大新という百貨店で、「東洋のパリ」と呼ばれた租界時代の繁栄期に建てられた旧上海四大百貨店のうちの一つです。

 1987年の訪問時には、中国初のエスカレーターがある百貨店としても有名でした。それを聞いて行ってみたのですが、エスカレーターは故障中。 当時は館内の照明も暗く、売っている商品の質・量ともに極めて貧弱だったことを記憶しています。当時の日記には人民帽の値段は6角(約20円)との記述が残っています。

 他の物価としては、バス代4分(約1.3円)、人民公園入場料5分(約1.6円)、ジュース1元(約32円)、昼食・夕食が4〜8元(約130〜250円)との記録があります。非常に物価が安かったですね。


 さて、この上海市第一百貨商店の前には円形の歩道橋がありました(今はありません)。以下の写真(1987年)はそこから撮影したものです。



 1998年の訪問時にも、上海市第一百貨商店の前には円形歩道橋があり、同じところから写真を撮りました(2枚目)。メガネ屋の茂昌眠鏡公司、食品販売とレストランの泰康食品公司などの看板が見えます。


 当時は1992年のケ小平による「南巡講話」が改革開放政策を加速させ、急速に経済発展しつつある時代でした。南京東路にもマクドナルドやベネトンも登場、お洒落なお店も散見され始めていました。

 当時の日記を見ると、バス代1〜2元(約16〜33円)、ジュース(サンキストアップル)4元(約65円)、昼食・夕食が25〜55元(約400〜900円)との記録があります。前回に比べて物価は3〜5倍というところでしょうか。


 3枚目は今回・2012年の訪問時に撮影した写真ですが、その時には百貨店前の歩道橋は取り壊されていましたので、同じ場所の路面から撮影しました(従って目線が少し低いです)。

 新しくなった茂昌眠鏡公司や泰康食品公司の看板が確認できるだけでなく、1987年から変わらぬ建物の姿も見られます。 街は過去とは違ってKFC、スターバックスコーヒー、コンビニなどで溢れています。


 一般に経済発展・近代化は生活を便利にしますが、街を個性のないものにしてしまうという指摘もあります。 南京東路はそんな急速な近代化の中で、和平飯店や上海市第一百貨商店などの歴史ある建築物も残っており、新旧混在で街の個性がうまく維持されている部類に入ると言えましょう。(鈴木雅人)


  (1846年建築の浦江飯店 / 上海・浦東新区の夜景(いずれも2012年撮影))


 
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