海外不動産鑑定評価・調査
第28回汎太平洋不動産鑑定士・カウンセラー会議が開催される(2016.9.29)
2016年9月26〜29日に、京都国際会館にて第28回汎太平洋不動産鑑定士・カウンセラー会議(The 28th Pan Pacific Congress for Real Estate Appraisers, Valuers, and Counselors)が開催されました。
この会議は、米国とオーストラリアの不動産評価人の専門団体が中心となって、1959年に第1回大会がシドニーで開かれて以降、概ね2年おきに太平洋沿岸の国・地域で開催されています。日本で開催されるのは1994年の横浜大会以来で、22年ぶりとなります。弊社代表の鈴木雅人(日本国不動産鑑定士、MRICS)も、今大会の実行委員会委員に就任し、28日のワークショップ(分科会2B、3B)の進行役などを担当して参加しましたのでご報告致します。
今回の大会は、参加登録者が日本国内で約530人、海外からも約180人と予想以上の数となり、盛大な式典であったことが当日の会場でも感じ取ることができました。特にアジア地域、中でもインドネシア、台湾からの参加者が増えつつあり、また過去には稀であったフィリピン、インドの鑑定士の参加も散見されました。また、ベトナムやモンゴルの鑑定士協会も参加表明するなど、積極的な参加意思を示す国々も増えてきています。これら参加者が増えつつある国、参加意思を示す国では、経済発展と産業構造の変化等によって鑑定士による評価ニーズが増えつつあるという背景があります。
これらアジアの国々からの参加者は、技術交流や市場開拓のためのヒント探しといった明確な目標の下で、意欲的・積極的に参加をなさっているようにも思えました。例えば、パネルディスカッションでの質問も積極的でしたし、ワークショップでも質疑応答の時間をもっと確保して欲しいとの意欲的な要望をいただきました。IVS(国際評価基準)、IFRS(国際財務報告基準)の世界的な普及やクライアントに多国籍企業が増えているなどの国際化の動きが確かに彼らを後押ししている様です。
今大会は、26日に歓迎レセプション、27日に基調講演(安藤忠雄氏)、パネルディスカッション(テーマ:急速に変化しつつあるグローバル金融市場における鑑定評価の役割/IFRS及びIVSと鑑定評価)、28日にワークショップ(発表論文24本)と続き、28日夕方の閉会式をもって盛況のうちに閉幕しました。
次回(第29回)大会は、2018年10月8日よりメキシコのティファナで開催されます。また、2020年の第30回大会はマレーシアのクアラルンプールで開催されることも決定しています。