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世界ぐるり通信

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マカオの法務局と地籍局へ−−マカオ半島滞在記(2015.3.26)


 2015年3月、マカオ滞在の合間を縫ってマカオの法務局と地籍局に行ってきました。今回はこのマカオの法務局と地籍局、及び不動産情報の調べ方についてご紹介します。


 マカオでは、不動産登記については法務局(Directorate of Legal Affairs Bureau)が、地籍図・土地台帳については地籍局(Cartography and Cadastre Bureau)がそれぞれ業務を行っています。 登記制度は100年以上の歴史がありますが、土地台帳は1980年代に導入され、地籍局が1983〜1998年にかけてマカオの土地測量を実施し、整備されました。 それぞれ管轄が異なっています。


       (マカオの地籍局−−電力公司大樓の5階 / 地籍局の表札)



 マカオの不動産について調べる場合には、まず地籍局のウェブサイトにアクセスしましょう。 そこで位置、建築物名称、不動産標示番号、地籍図番号のほか、「街道準線図」、公法上の地域地区などを確認することができます。

 不動産標示番号(標示編号)は、日本でいう土地の地番の様なもので、法務局での登記証明書等の申請に必要な番号となります。 また、「街道準線図」は、土地工務運輸局により作成されたもので、道路境界や最高高さなどの都市計画制限などが記載されています。

 地籍図番号(地籍編号)を調べることで、誰でもその番号の地籍図を申請・取得することができます。 地籍図は測量に基づく正確な図面で、土地の範囲・境界が確認でき、不動産標示番号、土地台帳上の面積と登記上の面積、周辺街路の名称等が記載されています。 植栽や建物の状況なども綺麗に描かれているので、日本の法務局に備えられている地積測量図というよりも、住宅地図の様な感じです。


 地籍局のウェブサイト:http://www.dscc.gov.mo/


 ウェブでの調査方法ですが、英語ページであれば、「Service Guide」−「Online Shopping Service」−「Products」−「Cadastre Plan」と進み、「Cadastral Information Website」を開いて言語を選び(中国語かポルトガル語)、地図情報が閲覧できる「地籍資訊網」へ進みます。 そこで調べたい不動産を探してカーソルをあわせてクリックすれば、各種情報が表示されます。



       (Cadastral Information Websiteの地図閲覧画面)



 土地台帳を取得する場合は、「Cadastre Plan」で地籍図番号(地籍編号)を入力して購入手続きができます。 日本からでも申請でき、郵送してもらえます。発行には5営業日を要しますので、郵便事情にもよりますが申請してから2週間程度で手元に届きます。 または地籍局で直接受け取りも可能です。住所は「馬交石炮台馬路32至36号」で電力公司大樓の5階になります。


       (地籍図のサンプル 出所:地籍局ウェブサイト)



 一方、法務局は地籍局から南西に1.8km程度離れた場所にあります。不動産の登記は、その中で「物業登記局」が担当です。 そこで不動産登記(物業登記)の証明書(物業登記證明)や書面報告を、誰でも申請、取得することができます。 申請には申請書に必要事項(申請人氏名、身分証明、不動産標示番号、所在地等)を記入して窓口に提出します。 発行には1営業日を要しますので、再度法務局に訪れて受け取ることになります。申請書は法務局内に用意してありますが、ウェブサイトからダウンロードして取得することもできます。

 物業登記證明や書面報告には、位置、不動産名称、土地面積、土地性質(都市用地などの種類)、地上建物の内容(階数など)、所有者、登記原因などが記載されています。


 法務局のウェブサイト:http://www.dsaj.gov.mo/



       (法務局の入る公共行政大樓)


 法務局の内部は撮影禁止なので残念ながら写真はありませんが、日本の法務局や役所の内部に似ていて、申請した時に渡される紙に記載された番号が電光掲示板に表示され、呼ばれる形式になっています。 住所は「水坑尾街162号」で公共行政大樓の2階になります。(鈴木雅人)


 
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