世界ぐるり通信
祝・ボスポラス海峡横断トンネルの開通!−−イスタンブール滞在記(2014.8.14)
2014年8月にイスタンブールに経由のため3日間滞在しました。この街は1998年以来、16年ぶり2回目の訪問になります。
トルコも経済発展が著しく、16年前と比べて明確に変わったなと感じた点がいくつかありました。それは(1)物価がかなり上がっている、(2)外国人観光客が増えている、(3)公共交通機関の整備が進んでいる、などです。
経済成長率も高く、物価指数もここ10年間で倍以上になっている様です。ここで1998年に訪問した時の物価と今回の物価を比較してみます。 トルコでは2005年に100万分の1の実質的なデノミネーションを実行しており、比較の参考として日本円で比較してみます(なお、円相場も変動しますが、1998年はUS$1=150円でした)
内 容 |
1998年価格 |
2014年価格 |
---|---|---|
ガラタ塔入場券 |
500,000TL(約280円) |
20TL(約1,000円) |
アヤソフィア聖堂入場券 |
1,000,000TL(約560円) |
30TL(約1,500円) |
トラム(路面電車) |
50,000TL(約30円) |
2.2〜4TL(約110〜200円) |
チャイ |
150,000TL(約85円) |
2TL(約100円) |
チチェキパサジ内で夕食 |
3,200,000TL(約1,800円) |
35TL(約1,750円) |
ガラタ塔やアヤソフィアなどの観光施設は約3倍に値上がっていました。トラムも高かったです。しかし・・・・あれれ?食事はあんまり変わっていない? チャイも少しの値上がり程度!・・・・わずか3日間の滞在ですし、食事は場所や注文する内容によって変わるのでこれだけで判断できませんが、施設の入場料と違ってあまり高くなかった印象が残りました。
(西暦500年前半から建つガラタ塔 / チャイ3杯、6トルコリラ)
次に外国人観光客ですが、街中を歩く観光客の多さや観光地での待ち時間などを比較すると、もの凄く増えたと感じました。 それに伴いレストランやカフェ、お土産屋さんも増えていた様な気がします。
データを見ると、当時(1998年頃)は200万人だったのが、現在は1000万人の観光客がイスタンブールに訪れているとのこと。平和でよろしいかと思います。
最後に交通インフラの整備ですが、これは飛躍的に進んでいました。
イスタンブールは、もともと人口規模の割には地下鉄の整備が遅れていました。M1路線は1989年に開業しており、16年前にも既にありましたが、他は最近開通したものです。 M1B線は2013年、M2線は2000年、M3線は2013年、M4線は2012年の開業。更に他の路線も建設中。
そしてなんと言ってもトルコ150年の夢であったボスポラス海峡横断トンネルの開通(マルマライ計画)は見落としてはならない出来事でしょう。 日本の大成建設と地元ガマ重工業、ヌロール社のJVで工事が進められたもので、トンネルの長さは1.387kmと長くはありませんが、深さと潮の流れが難点だったため、工事には時間を要したとのことです。 2013年10月にはこのトンネルを通る地下鉄も開業しています。
そんな中で、イスタンブールには古い地下鉄もあり、そのレトロ感がたまりません。 それは、カラキョイ駅とテュネル広場駅を結んでいる「テュネル」というケーブルカー方式の路線で、ロンドン地下鉄に次いで世界で2番目に古く、ユーラシア大陸では最初に開業した地下鉄とのこと(開業は1875年という古さです!)。
(1875年開業のテュネル / 旧市街の景観)
イスタンブールは、交通インフラの整備が進み、観光客も飛躍的に増えていますが、歴史的な街並みの保存はしっかりなされており、またユーラシア大陸最古の地下鉄も健在であるなど、新旧の調和を大切にしたまちづくりが進められている気がします。 是非ともまた訪れたい都市の一つです。(鈴木雅人)