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海外不動産鑑定評価・調査

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現地調査レポート−−経済成長著しいカンボジアの不動産市場(2011.9.1)


 経済発展が著しくアジア新興国の仲間入りをしつつあるカンボジアの不動産市場は今どのような状況になっているのか? ・・・・・2011年7〜8月にかけて首都のプノンペンに入り、調査を実施しましたのでご報告致します。


 カンボジアでは、フランス植民地時代から土地所有権が導入されています。ポルポト政権時代にはこれが破棄されたものの、1993年憲法によって改めて土地の 所有権が認められました。しかし、ポルポト時代に登記簿や権利書などを紛失した人が非常に多く、現在も土地に関するなんらかの書類を有する国民は半分にも満たない状況で、 土地の権利関係は錯綜しています。

 2001年には土地法が制定され、土地所有権の取得条件(5年以上の平穏な占有等)などが規定されました(それ以前から占有証明書なども発行されています)。 2011年11月には日本の支援を受けて民法が制定される予定で、今後、法整備と土地権利関係の明確化が更に進められることが期待されます。



  (カンボジアのGDP成長率の推移 / プノンペンの顔であるセントラルマーケット)



 プノンペン特別市を見ると、モニバン通りやシアヌーク通り等の主要幹線道路沿いでビルの建設工事が散見され、外国人や中堅所得者層向けのモダンな スーパーマーケットや小売店舗なども開店し始めています。経済成長が著しいカンボジアへは中国と韓国からの投資が活発で、郊外で住宅団地の開発が進められているほか、 モニバン通りとシアヌーク通りが交差する角地には42階建の高層ビル「Gold Tower 42 Project」が韓国資本によって建設中となっています。

 BONNA Realty社の報告(2011年6月)によると、市内ではモニバン通り沿いの地価が最も高く、US$3,500〜4,500/uとなっており、上昇傾向にあります。 従来は老舗の市場であるセントラルマーケット付近が最高価格地点であったと言われていますが、セントラルマーケット周辺の各幹線道路沿いの発展によって、 今後は新たな商業中心が形成されていくものと予測されます。



  (市内幹線道路沿いの様子 / 工事中の高層ビル「Gold Tower 42」)


 カンボジアでは依然として権利関係が曖昧な土地が多いですが、私的な所有権または占有権の取引は確実に増えている状況です。リーマンショック後は一時的に 不況に見舞われたものの、2010年から不動産市場は回復傾向となっており、現在も依然として割安感があることから海外からの投資が増加中で、暫くは活況が続くものと予測されます。


 
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